書店ガール 碧野圭
人間誰しも一度は、隣の芝生は青いと感じたことがあるのではないか。
会社に属し社内も社外も含め様々な人間関係があり、その中で一番シンドくて辛い思いをしているのは自分であると感じたことはないだろうか。
あの人は大した事もせず、要領がいいがために得をしていると心のどこかで妬んだことはないだろうか。
誰しもが順風満帆ではない事ぐらいはわかってはいるが、そのように自分の色眼鏡で見てしまい、あらぬ人の評価をしてしまうことだってある。
事の善悪は置いておくが、その相手へドロドロとした気持ちが、文化の発達にも大きく影響しているのではないかと同時に思ったりもする。
でなければ、世の中はいたって平凡で争いもなく、生活の抑揚ないつまらない世界になっている気がする。
まさに、その人間ならではのドロドロとした感情を上手く自分たちのエネルギーに変換し、書店内の文化を発達させ、かつ読書にスッキリ感を与えるのが本書であります。
学生時代に書店のバイトの面接を落ちた私にしてみれば、経験したくても出来なかった世界ではありますが、四六時中顔を合わせて仕事をしていると、多かれ少なかれ人間関係は複雑になりそうな気もする。
そんな複雑な人間の世界に生きていても、何かのきっかけで人生が上手く回転して行くのだと勇気付けられる作品です。
そして、そう感じる私はドロドロの真っ只中かもしれない。
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