茶番的ファンタジーでありながらヒーローものです。/聖なる怠け者の冒険 森見登美彦

聖なる怠け者の冒険 森見登美彦

倍返しだ!で有名になりました半沢直樹でございますが、あのリアリティーが故に入り込み、極限まで高められたストレスを一気に放出する様は、みている人が共感するのも頷ける、このストレス社会。

と何処かの誰かが言ったとか言わなかったとか、そんなにも会社や実生活でストレスを感じているにもかかわらず、更にドラマでもイライラすると言うのは理解し難い面もある。

それでも人気があると言うのは、スカッと感もあるが、やはり何処かで言いたい事をストレートに上司に申す様に憧れているのかもしれない。

では、同じストレスを発散すると言う意味においては、喜劇にも近い本書の茶番さで、んなアホなと苦笑するのもまた悪い方法ではないと思う。

リアリティーからかけ離れた設定であればある程、それだけで現世から本の中の世界に引き込まれる事は間違いありません。そしてこういう現実逃避は嫌な気もしないのです。

その茶番的設定とその面白さは購入金額の何倍返しにもなります。

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