「沛公(劉邦)はまれにみる長者だ」とたれもが言う
項羽と劉邦〈中〉 司馬遼太郎
上巻には項羽の勢いが描かれておりましたが、中巻は劉邦の人間性の良さが描かれております。この物語自体が項羽(恐怖)と劉邦(人徳)の対比論で成り立っておりその周りの人物も混じり合う物語であります。
項羽の軍は攻めるたびに略奪などを繰り返す。道徳的にどうかというのではなく、そうすることで兵のモチベーションが保たれるという。一方劉邦の軍はその土地との融和を図るという方法で統治していくわけですが、どちらかというと項羽の方がワルものとしての位置づけがされている印象です。しかし、劉邦自身ももともとはゴロツキであったという表現も多くあり元々の身分や立場がよく似ていると思わせます。
すなわち同じような立場でスタートし立身出世するがその道のりにおいてのやり方が180度違う。そして結果はいかに!?というわけです。
大王は要するに項羽と反対のことをなされば良いのです・・・
と韓信も劉邦に進言しましたしね。
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