どういう人間がリーダーとして必要か・・・。様々な登場人物が出てくるが項羽も劉邦もワルです。
項羽と劉邦 (上) 司馬遼太郎
人間のつながりや、誰の下で働くかによってとてつもなく人生が変わる可能性がある。上巻では項羽と劉邦が秦を倒すべく登場するわけですが、どちらも人望厚く流民やワルを統率しています。
また様々な王や武将が登場いたしますが、項羽や劉邦などと比較して地位と権力に溺れた人物は現状にしがみつくあまり、また自己の保身の為にのみ行動していくのです。
そして、気持ちをひとつにした集団ほど強いものはありません。
秦を攻めるシーンでは死を覚悟し、この戦いで死ぬのだから炊事道具などは必要ないということで、全員が釜などを壊すシーンがありました。そして団体がひとつなり見事に戦にも勝つわけです。
人の心を掴むリーダーには残念ながら巡りあったことはないですが、自分ではこうありたいという人物像として項羽が光り輝いています。上巻では残念ながら劉邦の活躍がまだ描かれておりませんが、このあとどのように描かれているか楽しみです。
こどもは乳をのむ。おとなは酒をのむ。どちらも人間を大きくするためのものだ。
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