宮本武蔵(一) 吉川英治
長嶋茂雄さんと松井秀喜さんが国民栄誉賞を受賞したというニュースを聞き、現役時代の長嶋さんが「長嶋茂雄を演じるのは大変だ」と言っていたという、インタビューだったか何かを思い出した。
スーパースターであるがゆえに、ファンのイメージを崩すことがないように、またプロとはそのようにあるものだという考え方だそうだ。長嶋茂雄という自分自身でありながら別の人間を作り出し、それをやり通すのもまたプロであることなのでしょう。
そのキャラクターは変わることなく演じなければなりません。それをどのように考えだし演じきったかはわかりませんが、変わらぬ「長嶋茂雄」を今後も演じていただきたいものです。
一方、宮本武蔵という人物の少年期を描かれた本書では沢庵に3年間幽閉されて、本を読み学を得ると180度変わっているのです。先に述べました長嶋茂雄とは真逆の考え方で、宮本武蔵の場合人間たる心理を求めて学び、感じ自分自身をどんどん変えていく人物として描かれております。
真逆の生き方なのにどちらも魅力的であることには、もっと大きな別の理由があるのでしょう。
文武二道とは、ふた道と読むのではない。
ふたつを備えて一つの道だよ。
この本の評価
お気に入り度
(5.0)
コメントを残す