遠い朝の本たち 須賀敦子
最近思うのだがこの年齢にもなると、人間の品格を醸し出さねばならないのではないか。いつまでもミスショットに怒り、ゴルフクラブを芝に叩きつけ悪態をつくような惨めな人間を卒業すべきであると常々思うわけである。
しかしながら、何十年をも付き合ってきたこの性質は簡単に変えれるわけもなく、平常心を求めれば求めるほどに心を乱すのがオチである。
品格とはそれまでの生い立ちや、周りの人間関係、生活の質など様々な要因が土台となり形成されるのもなのであろうことは、分かってはいるものの、気合で何とかなるのではないかという考えそのものが品格形成の邪魔をしているに違いない。
そういう意味で文章にまで出るほどの品格を持つ本書の著者は私とは対極にまで位置しているといってもよい。
そんな対極に位置した人間であり、直接知り合うことなど到底不可能な方の考え方を知ることの出来る本の持つ多面性と魅力をを改めて感じた阪急電車の車内でありました。
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