ただ生きている事を恥じるーサハラに死す――上温湯隆の一生

サハラに死す――上温湯隆の一生

小生今もですが、学生時代はすこぶるアホだった。正確に言うと勉強の出来が良くなかった。

そういう人間が大学に行きたいなどと思った時は時は既に高校3年生の夏。でもそれはアホだから気づくのが遅くても仕方がない。アホは何をしてもやっぱりアホなのだ。

とまぁ自分のアホ自慢をしたかったのではない。大学に行きたいが為に浪人をしたという話である。

浪人といいますのは、学生でもなく働く社会人でもない。全く生産性のない何者でもないという微妙なポジションなのです。

さらに来年受験に合格するという保障すらもない。

年齢的には高校を卒業し20歳に近づくと親からも少し自由になり、先に大学に行った同級生などはそれはもう楽しい人生を送っているわけであります。そうなりますとますますこの不自由な世界から解放されたい一心で勉強をしたり、しなかったりとまぁ見えない出口に向かって一歩ずつ進んでいくわけであります。

大学に合格する=自由を手にする、という図式は間違っていないと思う。そして私の場合その自由への欲求が旅というものを大きく連想させた。実際合格通知を手にした翌日、同じ欲求を共にした浪人時代の友と日本半周の中途半端な旅に出た。

話は戻るがその浪人生の時、国語の人気講師青木という人がこの著書を紹介した事がずっと忘れられず、10年越しに手にする事ができた。

奇しくもサハラに挑戦した彼も目標達成後大学受験にチャレンジする予定であったらしい。
彼の志を考えると私のようにただ自由になりたかった自分の考えを恥じるとともに、やっぱりアホなんだなぁと痛感するのである。

この本の評価
評価
(4.0)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です